日曜の朝、公園へ行く前に玄関で子どもの靴をはかせながら、靴箱の上の虫除けスプレーを手に取る。

裏を見ると、「12歳未満の小児には使用しない」と書いてある。
虫除けスプレーは、成分と濃度によって、使える年齢や1日の回数が商品ごとに違います。
1本目を選ぶときは、いっしょに使う家族のうち、いちばん年下の人の年齢から決めます。
ディートとイカリジンを、表示で比べる
肌に使う虫除けの成分として売り場で目にするのは、おもにディートとイカリジンの2つです。
どちらも蚊やブユ(ブヨ)を寄せにくくする成分で、違いが出るのは子どもへの使い方と、服や持ち物への影響です。
| 項目 | ディート | イカリジン |
|---|---|---|
| 濃度の例 | 30%の商品がある | 5%と15%の商品がある |
| 区分の例 | ディート30%の商品は第2類医薬品 | イカリジン15%の商品は防除用医薬部外品 |
| 子どもへの使い方 | 30%の商品は12歳未満に使わない。濃度の低い商品には、年齢ごとの回数が書かれた物がある | 年齢による使用制限・回数制限がないと書かれた物がある |
| 効き目の時間の例 | 30%の商品で、おおむね5〜8時間 | 15%の商品で、約6〜8時間 |
| 服や持ち物 | 繊維の種類によっては変質する。ストッキングなどに直接吹かない | 服の上から使える。生地によってはシミやしわになる |
| 対象の例 | 蚊、ブユ、アブ、ノミ、マダニなど | 蚊、ブユ、アブ、マダニ |
どちらが上という話ではなく、使う人の年齢と、肌に塗るか服にかけるかで選び分けます。
効き目の時間も、同じ成分の中で濃度によって変わるので、成分名の横の「%」まで見比べます。
使う人の年齢から決める
子どもといっしょに使う家
ディートの濃度が低い商品には、子どもに使う回数の目安として次のような書き方があります。
ディート30%の商品は、12歳未満には使いません。
イカリジンの商品には年齢による制限がない物があり、家族で1本を共有したいときの選択肢になります。
どちらの成分でも、年齢の下限と回数は、手に取った商品の表示に従います。
子どもに塗るときは、大人の手のひらに取ってから塗り、子どもの手には直接付けません(目をこすったり、口に入れたりするため)。

大人だけで使うとき
夫婦で週末にハイキングへ行く、という日なら、年齢の制限は気にせず、出かける時間と場所で選べます。
半日以上外にいる日や、汗をかく日なら、効き目の時間が長い濃度の物を選びます。
近所の買い物や、夕方の短い散歩くらいなら、濃度の低い物も候補になります。
服の上からも使いたい人や、においが苦手な人は、服への影響とにおいの違いで選びます。
妊娠中の人が使うときは、商品の表示に従い、迷ったら薬剤師や医師に相談してから選びます。
家族の組み合わせで見る、1本目と2本目
家族で何本そろえるかは、年齢の組み合わせで変わります。
| 家族の組み合わせ | 1本目 | 2本目を足すなら |
|---|---|---|
| 大人だけ | どちらの成分でもよい。長く外にいる日があるなら、効き目の時間が長い濃度の物 | においや服への影響が気になる人用に、もう一方の成分 |
| 大人と小学生 | 子どもと共有できる物(イカリジン、または子どもの回数の決まりがあるディート) | 大人だけで長く外にいる日用に、大人向けの濃度の物 |
| 大人と2歳未満の子ども | 年齢の制限がないイカリジン(ディートの濃度の低い商品なら、6か月以上2歳未満は1日1回) | -(1本を共有し、塗るのは大人の手で) |
1本で済ませたいなら、いちばん年下の人に使える物を家族で共有するのが、表示から外れにくい選び方です。
2本に分けるときは、子ども用のボトルに印を付けて、取り違えないようにします。
出かける場所と時間で、形と強さを選ぶ
同じ成分でも、スプレー(ガスで出るエアゾール)、ミスト(ポンプで押す)、ジェル、シートと形があります。
- 近所の公園で1〜2時間: どの成分でもよく、子どもと共有するならイカリジン。ミストは手に取って塗りやすい
- 庭の草むしり・家庭菜園: 汗で落ちやすいので、塗り直しの回数に余裕がある物。長袖・手袋と組み合わせる
- キャンプ・川辺・山道: 対象の欄にブユ(ブヨ)やマダニがある物。長袖・長ズボンの上から使えるかも見る
- 通勤・通学の行き帰り: 持ち歩けるミニサイズや、においの少ない物(イカリジンは、虫除け特有のにおいがないとうたう商品がある)
形の違いは、使いやすさの違いです。
エアゾールのスプレーは脚や腕に一度に広く吹けますが、屋外で風があると流れやすく、吸いこまないよう風上で使います。

ミストは手のひらに取りやすく、子どもの腕や首に大人が塗るときに扱いやすい形です。
ジェルやシートのように、吹かずに塗る・拭く形もあり、スプレーを吹きにくい場所で使えます。
どの形でも、成分・濃度・年齢の書き方は、形ではなく商品ごとに違うので、裏の表示で見比べます。
川や沢の近くへ行く日は、蚊だけでなく、ブユの名前が対象にあるかを先に見ます。
1日の予定に、塗り直しの回数を当てはめる
子どもに回数の決まりがある商品を使う日は、出かける前にその日に塗る時刻を決めると、回数を数え違えません。
たとえば4歳の子どもに、1日1〜3回までのディートの商品を使う日なら、次のように数えます。
- 出かける前: 1回目
- 昼ご飯のあと、外遊びを続けるなら: 2回目
- 夕方の帰り道に、もう一度草むらを通るなら: 3回目。ここで、その日の回数は終わり
それより多く塗り直したい日は、年齢の制限がないイカリジンの商品に替える、長袖・長ズボンにする、などで回数に頼らない工夫をします。
屋外で過ごす場所ごとの道具の組み合わせは、「庭・ベランダ・キャンプの蚊対策、屋外用の蚊取りと虫除け、ブヨ対策と蚊帳の使いどころ」にまとめています。
肌への塗り方
腕、脚、首すじなど、服から出ている所に使います。
傷のある所には使いません。
吹いたあと、手のひらで伸ばして、塗り残しをなくします。
顔には直接吹かず、手のひらに一度取ってから、目と口のまわりを避けて塗ります。
子どもの顔に使ってよいかは、商品の表示に従います(ディートは、子どもの顔に使わない書き方です)。
大人の手のひらに取ってから塗り、子どもが吸いこまないよう、風下に子どもを立たせずに使います。
効き目の時間がたったときや、汗をかいたときに、表示の回数の範囲で塗り直します。

吹いたあとの手は、食事の前に洗います。
塗った肌が赤くなったり、かゆくなったりしたときは、使うのをやめて洗い流します。
服・靴・持ち物に使うとき
イカリジンの商品には、服の上から、すそや靴にも使える物があります。
ただし生地によってはシミやしわになることがあるので、先に目立たない所で試してから使い、着たあとは洗濯します。
ディートの商品は、繊維の種類によっては服が変質することがあり、ストッキングなどには直接吹きません。
合成繊維の服、革の靴やかばん、プラスチック製品にかからないように、という注意がある物もあります。
人用の虫除けを、犬や猫の体に吹かないでください。
動物の虫よけは、動物用として売られている物を獣医に相談して選びます。
吹くときは、そばにペットや観賞魚の水槽、小鳥のかご、食べ物がない場所で使います。
スプレーは子どもの手の届かない所にしまい、子どもが自分で吹かないようにします。
日焼け止め・去年の残り・刺されたあと
- 日焼け止めと一緒に使えますか?
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使う順番が商品の表示に書かれていれば、それに従います。
書かれていなければ、販売店の薬剤師に、手に取った2つの商品を見せて聞くのが確かです。
- 去年の残りを使ってもいいですか?
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使用期限が、容器の底などに書かれています。
期限を過ぎた物は使わず、住んでいる市区町村の分け方で捨てます。
- 赤ちゃんにも使えますか?
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ディートは、6か月未満の赤ちゃんには使わない書き方です。
イカリジンには年齢の制限がない物がありますが、塗るときは大人の手のひらに取ってからにします。
迷ったら、商品の表示を薬剤師に見せて相談します。
- ハッカ油の虫除けスプレーとは、何が違いますか?
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ディートやイカリジンの商品は、蚊などを寄せにくくする効能が表示された医薬品・医薬部外品です。
手作りのハッカ油スプレーや雑貨のアロマスプレーには、そうした効能の表示がありません。
蚊の多い場所へ出かける日は、肌用の虫除けを別に用意します。
ハッカ油の向く使い方は、「ハッカ油の虫除けは頼れる?超音波・吊るすタイプと合わせた使いどころと限界」で扱っています。
- それでも刺されてしまったら?
-
強く腫れる、痛みが続くときは、医療機関を受診してください。
外出の前に家族の年齢を並べてみると、選べる成分はかなり絞れます。
いちばん年下の人が12歳未満なら、ディート30%は外れ、残った中から、出かける場所に合う対象と時間の物を選びます。



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