ネズミ取りを選ぶときに最初に決めるのは、捕まえた後のネズミを自分でどう扱うかです。
台所の隅でかじられたパンの袋を見つけて、ホームセンターの棚の前に立つと、粘着シート、かご型の捕獲器、毒餌が並んでいます。
扱いの手間をなるべく減らしたいなら、粘着シートを壁際に多めに並べるところから始めます。
ネズミに直接触れずに済ませたいなら、死んでいればシートごと処分できる粘着シート、くり返し使える道具がよいならかご型の捕獲器が候補になります。
毒餌は、子どもやペットがいない家で、見えない場所で死ぬことを受け入れられる場合に限ります。

粘着シート・かご型の捕獲器・毒餌の違い
| 種類 | 捕まえ方 | 向いている家 | 捕まえた後の負担 |
|---|---|---|---|
| 粘着シート | 通り道に敷き、くっつけて捕る | 手軽に始めたい家、置く場所が多い家 | 死んでいればシートごと袋に入れて処分し、生きていれば窓口か業者に相談する |
| かご型の捕獲器 | エサでかごに誘い、扉を閉じて捕る | くり返し使いたい家 | 生きたまま捕まるので、相談先を先に決めておく必要がある |
| 毒餌(殺鼠剤) | 食べさせて駆除する | 子どもやペットがいない家 | 天井裏など見えない場所で死ぬことがある |
粘着シートは、数を並べやすい
粘着シートは薄くて軽く、冷蔵庫の脇や流しの下のような狭い場所にも差しこめます。
1枚あたりが手ごろなので、通り道に何枚もすき間なく並べられるのが強みです。
一方で、ほこりや水がつくと粘着力が落ち、捕まりにくくなります。
流しの下のように湿りやすい場所では、シートの下に新聞紙を敷くか、湿気の少ない位置にずらします。
エサ付きのシートや、箱の形に組み立てて中に粘着面がくるタイプもあり、箱型は子どもやペットが手を触れにくい点で選ばれます。
売り場で見比べるときは、次の3つの表示を見ます。
- 大きさ: 大判は広い通り道向き、小さめは家具の隙間向き
- 枚数: 何枚も並べる前提なので、まとめて入った物が使いやすい
- エサの有無と形: エサ付きか、平らなシートか、箱型か
最初は、大判と小さめを1組ずつそろえておくと、置き場所に合わせて使い分けられます。
かご型の捕獲器は、くり返し使える
朝、台所に仕掛けたかごの扉が下りていれば、夜のうちに中へ入った合図です。
中のエサを引くと扉が閉まるしくみで、洗えば何度でも使えます。
ただし、ネズミは警戒心が強く、新しい物に慣れるまで近寄らないことがあります。
数日は扉が閉まらないように固定してエサだけ置き、ネズミが中に入り慣れてから仕掛ける人もいます。

生きたまま捕まるので、どこかに放すと戻ってくることがあり、生きたままごみに出すと袋を破って逃げるおそれがあります。
生きたまま捕まったネズミは、自分で処分しようとせず、市区町村の窓口か駆除業者に相談します。
かご型を選ぶ前に、お住まいの地域でどこに相談できるかを確かめておくと、捕まった朝に慌てずに済みます。
かごの大きさは、対象になるネズミの大きさが表示されているものを選びます。
体の大きいドブネズミには大きめのかご、体の小さいハツカネズミには網目の細かいかご、と相手に合わせると、すり抜けや入り損ねが減ります。
エサには、ソーセージやピーナッツ、チーズのようににおいが立つ食べ物がよく使われ、傷む前に毎日取り替えると寄りつきやすさが保てます。
毒餌は、置き場所を選ぶ
毒餌はネズミが食べてから効くまで時間がかかり、天井裏や壁の中で死んで、においの元になることがあります。
子どもやペットが誤って口にしないよう、手の届かない場所に限り、使い方と量は商品の表示に従います。
置いた毒餌の減り方を毎日見ると、ネズミがどこで食べているかの手がかりになります。
買う前には、対象のネズミ、使える場所、1か所に置く量の3つが表示されているかを見て、置く予定の場所で使える物かを確かめます。
ほかの動物と暮らす家での薬剤の扱いは、「ペット・赤ちゃんがいる家の殺虫剤とバルサンの使い方、使う前の準備と避けたい置き方」で整理しています。
置く場所で、捕まりやすさが変わる
ネズミは壁や物に体をそわせて歩く習性があり、部屋の真ん中より壁際と角を通ります。
置き場所は、次の5つの順で決めます。
糞、かじり跡、壁の下のほうについた黒っぽいこすれ跡を探し、跡が多い場所を通り道とみなします。
出入りしている隙間の前や、壁と床の境目に、隙間を空けずに置きます。
ネズミは1枚くらいなら飛び越えることがあるので、通り道をふさぐように何枚も並べます。
床に置いた野菜や、出しっぱなしのペットフードを片づけると、仕掛けのエサやシートに寄りやすくなります。
すぐに捕まらなくても、3日以上は同じ場所で様子を見て、毎朝確かめます。

跡がはっきりしないうちは、冷蔵庫の裏、流しの下、食品を置く棚の下の3か所から置き始めます。
どれも食べ物とぬくもりがあり、ネズミが立ち寄りやすい場所です。
置いた場所は紙に書き出しておくと、毎朝の見回りで見落としがなくなります。
暑い時期は、捕まえたネズミが傷んでにおいが出やすいので、ネズミ取りは寒い時期のほうが扱いやすく、秋から冬は始めどきになります。
住まいと暮らし方ごとの組み合わせ
同じネズミ取りでも、だれが住んでいるか、毎日見回れるかで向く道具が変わります。
| 家の状況 | 選ぶ道具 | 置き方で気をつけること |
|---|---|---|
| 一人暮らしのワンルーム | 粘着シート | 冷蔵庫の脇と流しの下に集中して置く |
| 小さな子どもがいる家 | 箱型の粘着シート | 子どもが開けない収納の中や家具の裏に限る |
| 猫や犬がいる家 | 箱型の粘着シート、かご型の捕獲器 | ペットが入らない部屋に置き、毒餌は使わない |
| 離れて暮らす親の家 | 粘着シート | 訪ねている間だけ置き、帰る前に必ず回収する |
一人暮らしでは、台所の狭い範囲にしぼって何枚も置くと、少ない枚数でも通り道をふさげます。
離れて暮らす親の家では、だれも見回れない間は、粘着シートを置いたままにしません。
生きたネズミがかかると、次に訪ねる日まで何日もシートの上で苦しませることになるからです。
日帰りで訪ねるなら、置くのはその日だけにして、帰る前に確かめて回収します。
泊まりがけで訪ねるなら、滞在している間だけ置いて毎朝確かめ、帰る日に1枚残らず片づけます。
置いた場所を紙に書いておくと、回収のときに取り忘れがなくなります。
毎日だれかが確かめられない家では、侵入口をふさぐ対策を先に進めるか、業者に相談します。
どの家でも、粘着シートとかご型を場所で分けて両方使うことはできます。
たとえば、流しの下には粘着シート、ペットが入りこまない物置にはかご型、と置く場所で道具を変えます。
子どもやペットがいる家では、置き場所を限る
粘着シートに子どもの手やペットの毛がくっつく事故があり、毒餌は誤って口に入れるおそれがあります。
置くのは家具の裏や、子どもとペットが入らない部屋に限ります。
屋外やベランダに置くと、小鳥などほかの動物がかかることがあります。
粘着シートに手や毛がついたときは、無理に引きはがしません。
はがし方が商品の注意書きに書かれていることがあるので、使う前に一度読んでおくと慌てずに済みます。
ペットが粘着面にかかったり、毒餌を口にしたかもしれなかったりするときは、すぐに獣医に相談します。
子どもが毒餌や粘着シートを口に入れたかもしれないときは、商品の箱を手元に置いて、医師か薬剤師、中毒110番などの中毒相談窓口に相談します。
ネズミがかかったら、苦しむ時間を長引かせないよう、見つけたその日のうちに動きます。
生きている個体は無理に扱わず、市区町村の窓口か業者に相談し、すでに死んでいれば次の手順で片づけます。
家に入るクマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミの3種は、捕まえるのに都道府県の許可は要りません。
ただし、ほかの野生の動物がかかったときは、自分で処理せず、市区町村の窓口に相談します。
捕まえた後の処理
先に用意しておく物
- 使い捨ての手袋(厚手のゴム手袋か、2枚重ね)
- マスク
- 中が見えにくいポリ袋を2枚
- 新聞紙
- 拭き取り用の消毒用品(アルコールや、塩素系の住居用)

ネズミは病原体やダニを持っていることがあるので、素手で触らず、手袋とマスクをしてから作業します。
処理の流れ
粘着シートの上でまだ動いている、かごの中で生きているときは、自分で処分しようとしません。
その場合は、子どもやペットが近づかないよう部屋の戸を閉め、市区町村の窓口か駆除業者に相談します。
すでに死んでいる場合に限り、シートやかごの外から新聞紙で包み、ポリ袋を二重にして口を固く縛ります。
出し方は、自治体によって分別の決まりが違うので、お住まいの市区町村のごみの案内で確かめます。
シートを置いていた床と周りは、消毒用品で拭き、手袋は最後に裏返して外し、そのまま袋に入れて捨てます。
かご型の捕獲器は、手袋をしたまま洗剤で洗い、よく乾かしてからしまいます。
濡れたまましまうとさびやカビの原因になるので、日の当たる場所でしっかり乾かしてから袋に入れて保管します。
糞が落ちていた場所の掃除
乾いた糞をそのまま掃いたり掃除機で吸ったりすると、細かいほこりが舞い上がります。
手袋とマスクをして、消毒用品で湿らせてから、紙で包むように拭き取ります。
捕まらないときに見直すこと
エサになる食べ物が、ほかに出しっぱなしになっていないか
シートにほこりや水がついていないか
置いた場所が、跡の多い通り道からずれていないか
並べた数が少なく、飛び越えられていないか
ネズミ取りでよくある疑問
- 1匹捕まえたら、もう終わりですか?
-
ほかにも住みついている可能性があります。
捕まえた後もしばらくは置き続け、入りこんだ隙間をふさぎます。
隙間のふさぎ方は、「ネズミ駆除を自分でやる前に、忌避剤・超音波・ネズミ取りの違いと、侵入口のふさぎ方・業者に任せる線引き」で扱っています。
- 粘着シートに捕まったネズミが、まだ動いています。
-
生きているネズミは自分で処分しようとせず、触らずに市区町村の窓口か駆除業者に相談します。
連絡がつくまでは、子どもやペットが近づかないよう、その部屋の戸を閉めておきます。
- 天井裏にネズミ取りを置いてもいいですか?
-
点検口から手の届く範囲なら置けますが、天井裏に体を入れて作業するのは、踏み抜きや配線を傷めるおそれがあります。
奥まで置く必要があるなら、業者に任せます。
- かかったネズミを見るのがつらいのですが、何か方法はありますか?
-
中が見えにくい箱型の粘着シートなら、死んでいる場合は箱ごと袋に入れて処分できます。
置いた場所と日付を紙に書いておくと、確かめる場所を見落とさずに済み、見回りの時間も短くなります。
触れずに処理したいか、くり返し使いたいか、子どもやペットが届く場所しか空いていないか。
この3つのうち、どれがいちばん譲れないかが決まれば、買う1つは自然に絞れます。





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