長雨のあと、玄関のたたきや浴室の床で見かける細長い虫は、たいていヤスデ、ゲジ(ゲジゲジ)、ムカデのどれかです。
名前が分かれば買う物の向きは決まりますが、入ってくる条件は3つとも共通なので、道具の半分は名前に関係なく使えます。
名前の見当は、脚と動きの速さでつける
| 名前 | 見た目と動き | 人への害 | 買う物の向き |
|---|---|---|---|
| ヤスデ | 体の節ごとに脚が2対。動きはゆっくりで、触ると丸まる種類もいる | 咬まない。刺激すると臭いのある液を出す | 家のまわりの粉剤、壁を登らせない工夫 |
| ゲジ | とても長い脚が体のまわりに広がる。動きがとても速い | 毒は弱く、人への害はほとんどないとされる | すき間ふさぎ、湿気を減らす道具 |
| ムカデ | 平たく、体の節ごとに脚が1対。赤茶色や黒っぽい色が多い | 咬むことがある | 室内用スプレー、家のまわりの粉剤 |

ムカデだった場合の道具と、咬まれないための扱い方は、「ムカデ対策グッズ、ムカデ用殺虫剤・忌避剤・屋外の粉剤の選び方と、家に入れにくくする置き場所」にまとめています。
入ってくる条件は、落ち葉・すき間・湿気の3つ
家のまわりの落ち葉と鉢の下が、昼間のすみか
ヤスデもゲジも、落ち葉や朽ちた木、石や植木鉢の下のような暗くて湿った所で昼間を過ごします。
家の壁ぎわの落ち葉を掃き、植木鉢やブロック、使っていない板を壁から離すだけで、家に近い場所のすみかが減ります。

雑草を刈って日当たりをよくするのも、同じねらいです。
集めた落ち葉や土を、ほかの場所へ運んで捨てると、虫を一緒に広げてしまいます。
袋に入れて口を閉じ、地域のごみの出し方に従って出します。
片づけが済んだら、家の外壁と基礎に沿って、対象害虫にヤスデやゲジの書かれた粉剤か粒剤で帯を作ります。
撒く量と幅は、商品の表示どおりにします。
すき間は、玄関・窓・配管まわりの3か所から
雨上がりに家の中で見つかった場所をたどると、入ってきた口は玄関ドアの下、窓や網戸の枠、壁を抜ける配管のまわりのどれかに近いことがほとんどです。
ドアの下と網戸の枠には隙間テープ、配管のまわりのすき間にはすき間用のパテを使います。

床下の換気口のように、空気を通すための口はふさがずに、目の細かい網やカバーで覆います。
ふさいでしまうと、床下に湿気がこもる原因になります。
網戸と窓まわりの道具の選び方は、「虫を家に入れない防虫グッズの選び方、防虫ネット・隙間テープ・網戸スプレー・吊るす虫よけの場所別」で場所ごとに書いています。
浴室・玄関・押し入れの湿気を減らす
家の中では、浴室、洗面所、玄関の土間、押し入れの奥のように湿った所で見かけることが多くなります。
浴室は入浴後に換気扇を回し、床の水気を切ってから扉を閉めます。

排水口は、使わない時間にふたをしておくと、外から上がってくる口が1つ減ります。
玄関の土間を水拭きした日は、ドアを少し開けて乾かすより、換気扇や扇風機で風を当てて乾かすほうが、外から虫を呼びこみません。
玄関の靴箱や押し入れには、置くだけの除湿剤を入れ、たまった水を見て交換の時期を決めると、湿気の具合も目で分かります。

湿気が続く部屋は、ほかの小さな虫も出やすくなります。
食品の棚や畳に出る小さな虫の除湿の道具は、「食品につく小さな虫(シバンムシ・コクゾウムシ・チャタテムシ)の見分けと対策グッズ、密閉容器・トラップ・除湿」でも扱っています。
壁を登ってくるヤスデには、滑る帯を貼る
梅雨に家のまわりで増えたヤスデは、雨上がりに、水を避けるようにブロック塀や家の壁をはい上がってくることがあります。
窓や換気口まで登りきられる前に止めるのが、壁の対策です。
壁や塀の低い位置に、養生テープやアルミテープのような表面の滑る素材を帯状に貼ると、ヤスデが登りにくくなります。
外壁の塗装や素材によっては、はがすときに跡が残ります。
賃貸や集合住宅では、貼る前に管理会社に聞きます。

テープの帯は、粉剤の帯と重ねて使うと、地面を歩いて来るものと、壁を登って来るものの両方に向き合えます。
道具をそろえる時期は、梅雨入りの前
ヤスデは4〜7月ごろに増え、梅雨どきに家のまわりで大発生することがあります。
ゲジも暖かい時期に動く虫なので、道具は梅雨に入る前にそろえると間に合います。
| 時期 | やること | 使う物 |
|---|---|---|
| 3〜4月 | 壁ぎわの落ち葉と鉢を片づけ、ドア下と配管まわりのすき間をふさぐ | ほうき、ごみ袋、隙間テープ、すき間用のパテ |
| 5月 | 家のまわりに1回目の帯を作り、靴箱と押し入れに除湿剤を入れる | 屋外用の粉剤か粒剤、置くだけの除湿剤 |
| 6〜7月 | 雨上がりの朝に外壁と玄関を見回り、切れた帯に撒き足す | 粉剤か粒剤、室内用スプレー、滑る素材のテープ |
| 秋の長雨のあと | 同じように見回り、増えていれば撒き足す | 粉剤か粒剤 |
使い始めた日を除湿剤の容器やカレンダーに書いておくと、交換や撒き足しの時期を忘れずに済みます。
大量発生した日にやる順番
雨上がりの朝、外壁や玄関まわりにヤスデが何十匹も集まっていたら、次の順で動きます。
- 家の中に入っている分を先に片づける。ヤスデは咬まないので、ほうきとちりとりで集めて袋に入れ、口を閉じる
- 玄関と窓を閉め、ドアの下のすき間をテープでふさぐ
- 外壁に集まっている分には、対象害虫にヤスデの書かれたスプレーを使う
- 晴れて地面が乾いたら、外壁と基礎に沿って粉剤か粒剤の帯を作る
- 数日は朝に見回り、帯が切れた所に撒き足す
手でつぶすと、臭いのある液が手や床に付きます。
裏山や畑など、家の外の広い範囲から来ているときは、家のまわりの対策だけで数をゼロにすることはできません。
地域でまとまって出る年もあり、市区町村が案内を出している所もあるので、毎年続くなら住んでいる自治体の情報も見てみます。
家の中で1〜2匹見かけたとき
浴室や廊下で1〜2匹なら、スプレーを使わなくても片づけられます。
- ヤスデ: 動きが遅いので、紙かちりとりにのせて袋へ。つぶさないように
- ゲジ: 夜の浴室や洗面所の壁で見かけることがある。動きが速く、追いかけるとすき間に逃げこむ。対象害虫にゲジやムカデの書かれた室内用スプレーを1本、玄関か浴室の近くに決めて置く
- 見分けがつかないとき: ムカデの可能性があるので、素手で触らず、スプレーか火ばさみで扱う
室内用のスプレーは、ヤスデ、ゲジ、ムカデ、クモなどがまとめて対象害虫に書かれた物を選ぶと、1本でヤスデ・ゲジ・ムカデのどれにも使えます。
浴室で使ったあとは換気をし、床に残ったスプレーは流してから入浴します。
クモの巣は、張らせにくくするスプレーで
軒下、ベランダの天井のすみ、玄関灯のまわりは、クモが巣を張りやすい場所です。
クモも小さな虫を食べるため、家の外の巣を全部なくす必要はありません。
玄関やベランダの出入りで顔にかかる場所だけ、次の道具で対策します。
巣を取ってから、張られたくない面に吹く
古い巣が残ったままの面に吹いても、薬剤が巣にかかるだけで面まで届きません。
ほうきで巣を取り除いてから、張られたくない面が十分ぬれる程度に吹くのが基本の使い方です。

効き目の続く期間は商品ごとに表示があり、雨や日光の当たり方で、表示より短くなることがあります。
外壁や塀に使うと、変色やシミが出ることがあるので、目立たない所で試してから使います。
屋外専用と書かれた物は、室内には使いません。
高い軒下に届かせたいときは、ジェット噴射の物か、柄の長いほうきで巣を取ってから吹きます。
玄関灯のまわりの巣は、灯りから見直す
玄関灯や門灯のまわりは、夜の明かりに寄ってきた小さな虫を目当てに、クモが巣を張りやすい場所です。
スプレーで巣を張らせにくくしても、虫が集まり続けると、また張られることがあります。
紫外線の少ないLEDの照明に替える、点けている時間を短くすると、寄ってくる虫そのものを減らせます。
集合住宅の共用の照明は、自分で替えずに管理会社に伝えます。
名前が分からないまま買うときの迷い
- ヤスデ用とムカデ用は、別々に買わないといけませんか?
-
屋外の粉剤も室内のスプレーも、対象害虫の欄にヤスデ・ゲジ・ムカデが並んで書かれた物が多く、1つで足りることがほとんどです。
買う前に、困っている虫の名前が、全部その欄にあるかだけ見れば迷いません。
- 除湿機まで買う必要はありますか?
-
浴室の換気と、靴箱・押し入れの除湿剤で湿気が下がるなら、まずはそれで足ります。
窓の結露が続く、押し入れの物がかび臭いなど、部屋そのものの湿気が高いときに、除湿機を考えます。
- 子どもやペットが庭で遊ぶ家でも、粉剤を撒けますか?
-
撒ける場所と、撒いたあとの注意は商品ごとに違うので、使用上の注意の「子ども」「ペット」の行を先に読みます。
遊ぶ場所や犬の散歩の通り道には撒かず、玄関の下や基礎の際のような、人や動物が近寄らない所にとどめます。
それでも心配なら、粉剤は使わずに、落ち葉の片づけ、すき間ふさぎ、壁のテープの3つで対策します。
ヤスデもゲジも、落ち葉のすみか、入れるすき間、湿った部屋の3つがそろった家に入ってきます。
このうち1つでも減らせば、虫の名前が分からないうちから手を打てます。





コメント