4〜5月ごろに軒下で見つかる小さな巣は、冬を越した女王蜂が1匹で作り始めたばかりのものが多い時期です。
働き蜂が生まれると、巣は夏に向けて急に大きくなります。
玄関の軒下に逆さのお椀のような小さな巣がぶら下がっているのに気づいたら、自分で落とすか、市区町村や業者に頼むかを、早めに決めます。
決め手は、蜂の種類、巣の大きさ、巣の高さ、まわりにいる人とペットの4つです。

自分で対応するか、頼むかの分かれ目
自分で対応を考えてよいのは、次の4つが全部そろうときだけ
アシナガバチの巣で、スズメバチではないと分かる
作り始めの小さな巣で、蜂の出入りが少ない
脚立を使わずに届く高さで、まわりに足場の悪い所がない
作業のあいだ、子どもやペットを家の中に入れ、窓を閉めておける
スズメバチの巣、または種類が分からない巣(大きさにかかわらず)
ボールのように丸く大きくなった巣、蜂が何匹も出入りしている巣
2階の軒、屋根の下、高い木の枝など、脚立やはしごが要る高さ
天井裏、壁の中、換気扇や戸袋の中など、巣が見えない場所
以前に蜂に刺されたことがある人しか作業できる人がいない
このうち1つでも当てはまる巣は、自分で無理に対応しないで、市区町村の窓口か駆除業者に相談します。
迷ったときは、頼む側に倒します。
巣の形で、蜂の見当をつける
近づかずに、離れた所から巣の形を見るだけでも、蜂の見当はつきます。
| 蜂 | 巣の形 | よく作られる場所 | 扱い |
|---|---|---|---|
| アシナガバチ | お椀やシャワーの口を逆さにしたような形。下から六角形の穴が見える | 軒下、ベランダの手すりの裏、窓の上 | 作り始めの小さな巣なら、自分での対応を考えられる |
| スズメバチ類 | 作り始めはとっくりを逆さにしたような形。大きくなるとボールのような丸い形 | 軒下、木の枝、天井裏、壁の中 | 自分で対応しない。窓口か業者に相談 |
| ミツバチ | 板のような巣が何枚も重なる | 木の洞、壁の中、床下 | 自分で対応しない。窓口に相談 |
形がはっきり見えないときは、スズメバチだと考えて扱います。
夏から秋に見つけた巣は、春の巣と分けて考える
春の作り始めの巣と、7〜9月に見つけた巣は、同じ場所にあっても別の物と考えます。
夏の巣は働き蜂が増えて大きくなっており、晩夏から秋にかけては、蜂が巣を守ろうとして攻撃的になりやすい時期です。
夏から秋に見つけた巣は、アシナガバチでも、大きさや蜂の数を見て、窓口か業者への相談を先にします。
巣が見えないのに、同じ方向へ蜂が何度も飛んでいくときは、その先に巣がある場合があります。
飛んでいく方向だけを離れた所から見て、窓口や業者に伝えるのが、自分で巣を探しに行くより無理のない動き方です。
相談先と補助は、住んでいる地域で違う
同じ軒下の巣でも、ある市では委託した業者が撤去し、となりの市では業者を紹介するだけ、ということがあります。
ほかにも、蜂用のスプレーを貸し出す所や、敷地の持ち主が対応するよう案内している所があります。
撤去の費用の補助があるかどうか、どの蜂やどの高さまでが対象かも、地域ごとに決まり方が違います。
住んでいる市区町村の名前と「蜂の巣」で、案内のページを開いてから決めます。
賃貸や集合住宅で、軒下や共用の廊下、ベランダの外側に巣がある場合は、先に管理会社か大家さんに連絡します。
巣を作られにくくする予防グッズ
予防のスプレーは、4〜6月に巣を作られやすい面へ
蜂用のスプレーの中には、巣を作られにくくする使い方を表示した物があります。
4〜6月の巣作りが始まる時期に、去年巣があった場所や、軒下、ベランダの天井、窓の上の雨よけのような面に吹きつけるのが、予防の使い方です。
効き目の続く期間は商品ごとに表示があり、雨や日光の当たり方で短くなることもあるので、表示された期間ごとに吹き直します。
予防のスプレーは、巣を作られないと約束する物ではありません。
見回りと組み合わせて、作り始めの小さいうちに気づくための道具と考えます。
春の見回りは、月に1〜2回、同じ場所を
見る場所を毎回同じにすると、前の回からの変化に気づけます。
4〜6月は、月に1〜2回、次の場所を回ります。
- 玄関や勝手口の軒下
- ベランダの天井のすみと、手すりの裏
- 物置の中や屋根の下、エアコンの室外機の裏
- 庭木や生け垣の枝の中、雨戸の戸袋のまわり
見回りのときは近づきすぎず、離れた所から見上げるだけにします。

去年巣があった場所は、同じ時期にまた作られることがあるので、見回りの最初に見ます。
雨の当たらない軒下や、ふだん開け閉めしない雨戸の戸袋、使っていない物置のすみは、巣を作られやすい場所です。
戸袋や物置は、春のうちに一度開けて中を見るだけでも、作り始めに気づける場所が増えます。
枝が込み合った生け垣や庭木は、外から中が見えず、夏になって大きな巣に気づくことがあります。
春のうちに枝を透かしておくと、見回りのときに奥まで目が届きます。
ハッカ油や木酢液を軒下に吹く方法もありますが、効き目には差があり、予防のスプレーと見回りの補助と考えるのが無理のない使い方です。
ベランダで蜂を見かけたとき
洗濯物を取り込もうとしたら、タオルに蜂が止まっていた、ということもあります。
手ではらったり、洗濯物ごと振ったりせず、離れて蜂が飛び立つのを待ちます。
飲み終えたジュースの缶や、花の咲いた鉢をベランダに置いていると、蜂が寄ってくる理由になります。

空き缶は室内で片づけ、ベランダの天井のすみと手すりの裏は、春の見回りの場所に入れます。
集合住宅で、隣や上の階のベランダ、共用部に巣が見えるときは、自分で手を出さずに管理会社に伝えます。
蜂用スプレーの選び方
対象害虫の欄: 「ハチ」と書かれているかを見る。
スズメバチの名前がある物でも、スズメバチの巣を自分で落とすための物とは考えない
届く距離: 離れた所から巣に届く、ジェット噴射と書かれた物
効き方: 蜂に当てて速く効くことを表示した物
予防の使い方: 巣を作られにくくする使い方の表示があれば、春の予防と兼ねられる
1本で予防と駆除の両方の使い方を表示している物なら、春の予防と夏の巣の対応を1本で受けられます。
人や動物、洗濯物に向けて吹かない、火の近くで使わない、の2つは、どの商品でも表示どおりに守ります。
家に子どもやペットがいるときの殺虫剤の使い方は、「ペット・赤ちゃんがいる家の殺虫剤とバルサンの使い方、使う前の準備と避けたい置き方」で、家族と動物ごとに書いています。
防護用品は、何をどこまでそろえるか
自分で作り始めの巣に向き合うときに使う防護用品は、次の5つが目安です。
- 厚手の長袖の上着と長ズボン: 白っぽい色。薄手のTシャツは針が通ることもある
- 手袋: 厚手のゴム手袋か革の手袋。袖口との境目をふさげる長さ
- 防虫ネットのついた帽子: 顔と首まわりを覆える物
- 長靴: ズボンのすそを中に入れられる物
- ゴーグルかめがね: スプレーが風で戻ってきたときに目を守る

蜂用の防護服を買っても、大きな巣やスズメバチの巣に手を出してよいことにはなりません。
防護服が必要になるような巣は、窓口か業者に任せる大きさの巣です。
自分で対応するときの装備と手順
ここからは、アシナガバチの作り始めの巣で、自分で対応を考えてよい4つの条件が全部そろったときに限った手順です。
手順どおりにしても、刺される可能性がなくなるわけではありません。
離れた所から巣の位置を見て、スプレーを吹く立ち位置と、吹いたあとに家に入るまでの道を決めます。
蜂は黒い色に向かってきやすいので、白っぽい色の厚手の服で肌を出さないようにします。
首元や袖口のすき間はタオルや輪ゴムで閉じ、顔には防虫ネットのついた帽子があると目元を守れます。
ライトを巣に直接当てると、蜂が向かってくることがあります。
足元だけを照らし、離れた所から巣全体にかかるように、表示どおりに吹きつけます。
窓と戸を閉め、その夜は巣に近づきません。
蜂が残っていたら、巣は落とさずに、窓口や業者に相談します。
落とした巣は袋に入れて口を閉じ、地域のごみの出し方に従って出します。
刺されて強く痛む・腫れる場合は、医療機関へ。
じんましん、息苦しさ、気分の悪さなどのアレルギー反応が出たら、ためらわずに救急車を呼びます。
窓口や業者に頼むときに伝えること
電話で相談するときは、次のことが分かっていると、話が早く進みます。
- 蜂の種類(分からなければ「分からない」で構いません)
- 巣のある場所と高さ(1階の軒下、2階のベランダの天井など)
- 巣の大きさ(ピンポン玉、こぶし、ボールなど、身近な物で)
- 見つけた日と、蜂の出入りが多いかどうか
- 離れた所からズームで撮った写真(撮れたときだけ)
写真を撮るために巣へ近づくのは避けます。

業者に頼む場合は、作業の範囲と、作業のあとに蜂が戻ってきたときの扱いを見積もりのときに聞くと、業者どうしを同じ条件で比べられます。
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スズメバチかどうか分からない巣には、分からないまま近づかないこと。
それが、蜂の巣を見つけた日にできる、いちばん大事な判断です。





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