梅雨の夜、雨がやんだあとに玄関で靴をはこうとしたら、たたきの端を赤茶色の長い虫がすっと横切った。
こういう夜にやることは、目の前の1匹をどうするかと、晴れた日に家の外まわりをどうするかの2段に分かれます。
買う物も、室内で使うスプレーと、家のまわりに撒く粉剤・粒剤の2種類が中心です。
ムカデは素手でつかまない、ほうきで追い回さない。
驚かせると、身を守るために咬みつくことがあります。
咬まれて強く痛む・腫れる場合は、医療機関へ。
見つけた夜に使う道具
室内用のスプレーは、「ムカデ」の文字と止める力で選ぶ
夜の玄関や廊下で見つけたときに手に取るのは、対象害虫の欄に「ムカデ」と書かれた室内用のスプレーです。
ムカデは動きが速く、壁ぎわや家具の下へすぐに逃げこみます。
吹きかけてすぐに動きを止めたいなら、冷やして動きを止めるタイプか、速く効くことをうたうムカデ用のエアゾールが向いています。
冷やすタイプには殺虫成分を含まない物もあり、その場合は動きが止まっているうちに、火ばさみやちりとりで袋に入れて口を閉じるところまで続けて行います。
子どもやペットは、スプレーを使う前に別の部屋へ移します。
寝る前と朝に、布団と靴を見る
ムカデは夜に動き、布団に潜りこむこともあります。
1匹見かけた家では、しばらくのあいだ、寝る前に布団を一度めくって見る習慣が役に立ちます。
玄関に脱いだ靴は、はく前に逆さにして軽く振るだけで、中に入りこんだ虫に気づけます。

ベランダや庭に出しっぱなしのサンダル、軍手、ガーデニングの手袋も同じです。
床に布団を敷いて寝る家は、昼間は布団を敷きっぱなしにせず、たたんで上げるだけでも、布団の下に入りこまれる場所が減ります。

ムカデ用の道具は、4つの役目で選ぶ
売り場には、ムカデ用と書かれたスプレー、粉、粒、置くだけのタイプが並びます。
形はいろいろでも、役目で分けると次の4つです。
- 止める: 室内用のスプレー、冷やして動きを止めるスプレー。見つけたその場で使う
- 帯を作る: 屋外用の粉剤・粒剤。家のまわりの地面に撒き、外から近づくのを防ぐ
- 入口に残す: 玄関や窓枠に吹きつける忌避スプレー、玄関に置くタイプ。入口の補助として使う
- ふさぐ: ドア下の隙間テープ、すき間用のパテ、換気口のカバー。一度付ければ長く使える
最初にそろえるのは、「止める」スプレー1本と、「帯を作る」粉剤か粒剤1つです。
ふさぐ道具はその次で、入口に残す忌避剤は、3つをそろえてもまだ見かけるときに足します。
置くタイプの忌避剤だけで玄関を守ろうとすると、効き目の届く範囲が足りないことがあります。
置く物は、ドア下のテープや外の粉剤と組み合わせて使います。
入口になりやすい場所と、使う道具
ムカデはわずかなすき間から入ってきます。
入口は家ごとに違いますが、見て回る場所は次の5か所にほぼ決まります。
| 場所 | 入ってくる形 | 使う道具 |
|---|---|---|
| 玄関ドア・勝手口の下 | 床とドアのすき間を通る | ドア下用の隙間テープ、玄関の外に撒く粉剤 |
| 窓・網戸 | 網戸の枠や窓の重なりのすき間 | 網戸用の隙間テープ、窓まわりに使える忌避スプレー |
| 浴室・洗面所の換気口と排水口 | 外とつながる口から上がってくる | 換気口の防虫カバー、使わないときの排水口のふた |
| 外壁と基礎の境目・配管の穴 | 壁のひびや配管のまわりのすき間 | すき間用のパテ、基礎に沿って撒く粉剤 |
| 庭・植木鉢・落ち葉 | 昼間に身をひそめ、夜に家へ近づく | 片づけ、家のまわりに帯状に撒く粉剤・粒剤 |
1か所ずつ全部をふさぐのは手間がかかるので、「家の外に粉剤の帯を作る」と「玄関・窓・水回りの口をふさぐ」の2つを組み合わせるのが、道具の数を抑えるやり方です。
屋外の粉剤・粒剤で、家のまわりに帯を作る
家の壁ぎわにある植木鉢、積んだ板やブロック、たまった落ち葉は、ムカデが昼間に隠れる場所です。
撒く前にどけておくと、帯が途切れません。
撒く幅と量は、商品の表示どおりにします。
壁から少し離れた地面に、途切れない帯になるように撒きます。
人が出入りする所ほど帯がこすれて薄くなるので、撒いたあとに見回ります。
雨に強いとうたう物でも、効き目の続く期間は商品ごとに表示されています。

粉か粒かは、撒きたい場所で選ぶ
粉剤は、基礎の際やコンクリートの上に細い帯を作りやすい形です。
粒剤は風で舞い上がりにくく、植え込みのきわや土の地面に撒くときに扱いやすい形です。
どちらも、対象害虫の欄にムカデのほか、ヤスデやゲジなどが並んでいる物が多く、1つで家のまわりの何種類かに使えます。
撒くときは、マスクと手袋をつけ、風のない日を選びます。
床下に撒くときにマスクの着用を求めている商品もあるので、使用上の注意を読んでから作業します。
撒き終わったら、玄関マットで靴底の粉を落としてから家に入ると、室内に粉を持ちこまずに済みます。
使った手袋とマスクは、そのまま室内に置かず、袋に入れて片づけます。
残った粉剤は、ふたを閉めて、子どもの手が届かず、食品から離れた屋外の物置などにしまいます。
撒く時期は、春の4月と梅雨の前
ムカデは春から秋にかけて動き、5〜8月ごろがいちばん活発です。
目安として、1回目は4月のうちに撒き、梅雨入りの前にもう1回。
雨の多い時期に帯が切れたままの日を作らないための、2回の区切りです。
地域や家のまわりの環境で動き出す時期は前後するので、家で初めて見かけた月を覚えておき、翌年はその月の前に1回目を撒きます。
室内: 屋外用の粉剤・粒剤は、室内に使えない物が多い(表示を確認)
植物の根もと・花壇・家庭菜園: 農薬ではない商品は、植物のまわりに使わないよう書かれている
池・用水路・畑の近く: 薬剤が流れこまないよう、離れた所までにとどめる
子どもやペットが遊ぶ場所: 撒いた所に近寄らせない、表示に従う
室内の入口は、忌避剤とすき間ふさぎで
玄関と窓は、ドア下のテープと入口用のスプレー
玄関ドアの下に隙間テープを貼り、その外側に粉剤の帯を作るのが、玄関まわりの基本の組み合わせです。
ドアの内側や窓の枠には、屋内の入口に使えると表示されたムカデ用の忌避スプレーを足します。
網戸の枠や窓の開け方の見直しは、「虫を家に入れない防虫グッズの選び方、防虫ネット・隙間テープ・網戸スプレー・吊るす虫よけの場所別」で場所ごとに扱っています。
浴室と洗面所は、使っていない時間の口を閉じる
入浴のあとの床や、洗面台の下の配管のまわりは、夜まで湿ったままになりがちです。
ムカデが好む、暗くて湿った場所に近い状態です。
排水口は使わないときにふたをし、換気口には防虫カバーを付けます。

入浴後は換気扇を回し、床に残った水気を減らしておくと、夜のあいだに寄ってくる理由が1つ減ります。
餌になる虫を減らすことも、遠回りの対策になる
ムカデはゴキブリなどの虫を食べるために家に入ってくることがあります。
ゴキブリの毒餌やコバエ取りを置いて、家の中の小さな虫を減らすことも、ムカデを寄せる理由を減らすことにつながります。
1匹見かけたあとに気になること
- 1匹見たら、家の中にまだいると考えたほうがいい?
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外から1匹だけ入ってきたこともあり、1匹見たからといって、家の中に何匹もいるとは限りません。
数日のうちに続けて見かける、浴室や押し入れなど同じ場所で見かけるときは、近くに入口があると考えて、その部屋の換気口、排水口、壁と床のすき間から見て回ります。
- ハッカ油や木酢液でも、ムカデをよけられますか?
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においで寄せにくくすることをうたう物はありますが、効き目には差があり、補助と考えるのが無理のない使い方です。
猫のいる家では、精油のにおいが体の負担になる可能性があるので、使う前に獣医に相談します。
- 冬のあいだも、何か用意したほうがいい?
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冬は家の中で見かけることが少なく、屋外の粉剤を撒くのは春からで足ります。
そのかわり、寒いうちは、ドア下の隙間テープや配管まわりのパテのような「ふさぐ」作業に向いた時期です。
家のまわりの環境づくりと、その限界

業者に相談するときは、見かけた場所、月、回数、大きさを書いたメモがあると、どこを処理するかの話が早く進みます。
写真は、近づかずに撮れたときだけで構いません。
ペットや小さな子どもがいる家で、室内のスプレーや置く物をどう選ぶかは、「ペット・赤ちゃんがいる家の殺虫剤とバルサンの使い方、使う前の準備と避けたい置き方」で、同居する家族と動物ごとに書いています。
粉剤の帯は、切れたところがそのまま入口になります。
雨の多い6月は、晴れた朝に玄関の下と換気口の下だけでも、帯が残っているかを見て回ります。




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