庭やベランダで、昼間に足首や腕を刺してくるのは、黒っぽい体のヤブカ(ヒトスジシマカ)です。
夜に寝室で羽音を立てる茶色っぽいアカイエカとは、刺しに来る時間帯が違います。
屋外の蚊対策は、昼に外で過ごす時間に合わせて道具を選ぶのが出発点です。
ヤブカは、ペットボトルのふたにたまるくらいの小さな水でも育ちます。
植木鉢の受け皿、空き缶、雨よけシートのくぼみ。
道具を買う前に、家のまわりのこうした水たまりを減らすことが、外で刺される回数を減らす土台になります。
場面ごとに、使う道具を決める
| 場面 | いる虫と時間 | 使う道具 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| ベランダで洗濯物を干す・取りこむ | 昼のヤブカ | 肌用の虫除け、受け皿の水を捨てる | 干している洗濯物に、屋外用のスプレーを向けない |
| 庭の草むしり・家庭菜園 | 昼のヤブカ | 肌用の虫除け、長袖・手袋、作業の前に植え込み用のスプレー | 食べる野菜や果物にスプレーをかけない |
| 庭のテーブル・ウッドデッキ | 昼のヤブカ | 屋外で使える蚊取り線香や電池式を風上に | 子どもやペットが線香に近づかない置き場所 |
| キャンプ場 | 昼はヤブカ、夜はイエカ。川の近くではブユ | 肌用の虫除け、屋外用の蚊取り、テントのメッシュや蚊帳 | テントの中で使える物かは表示で見る |
| 川辺・沢の近く | 朝夕のブユ(ブヨ) | 対象にブユがある虫除け、長袖・長ズボン | 肌の出る面積を減らす |
どの場面でも、肌用の虫除けが1本目になります。
屋外用の蚊取りやスプレーは、同じ場所にしばらくとどまるときに足す道具です。
肌用の虫除けの成分と年齢ごとの使い方は、「虫除けスプレーの選び方、イカリジンとディートの違いと、屋外・衣類・キャンプでの使い分け」で表にしています。
妊娠中の人は商品の表示に従い、迷ったら薬剤師か医師に相談してから使います。
ベランダと庭で、水たまりを減らす
ベランダは、鉢の受け皿と置きっぱなしの物
洗濯物を取りこむついでに、植木鉢の受け皿にたまった水を捨てます。

ベランダの隅に置いたままのバケツ、じょうろ、空のプランター、子どもの砂場遊びの道具も、雨のあとは水がたまります。
使わない物は、口を下に向けて置くか、ふたをして、水がたまらない形にします。
排水口のまわりに落ち葉やごみが詰まって水が引かない所も、雨のあとに見て回ります。
庭は、雨上がりにたまる所と、草むら
庭では、空き缶・空き瓶・竹の切り株・ブルーシートのくぼみ・お墓の花立てのような小さな水のたまりが、ヤブカの育つ場所になります。
雨が上がった日の翌朝に、たまった水を捨てて回るのが手間のかからない方法です。

蚊が昼間にひそむ雑草や植え込みを短く刈ることも、庭で刺される場所を減らす手入れです。
池や雨水をためるタンクのように、水を捨てられない物は、ふたや目の細かい網で口を覆います。
屋外用の蚊取りとスプレー
蚊取り線香を外で使うなら
庭のテーブルで過ごす夕方なら、線香は座る場所より風上の地面に置きます。
金鳥の渦巻には、ガーデニングやアウトドア向けとして、蚊とハエに使える太巻があります。
枯れ葉や新聞、タープのすそなど、燃えやすい物から離した、平らで安定した場所に置きます。

子どもが走り回る庭や、犬が自由に歩き回るウッドデッキでは、通り道から外れた、子どもやペットの手や鼻先が届かない場所を選びます。
灰は冷めてから捨て、その場を離れるときは火を消します。
地面と植え込みに吹く屋外用スプレー
草むしりの前に、作業する場所のまわりの草むら・庭木のまわり・物陰・地面に先に吹くスプレーがあります。
アースガーデン ヤブ蚊マダニジェットや、フマキラーのヤブ蚊バリアがこの使い方の商品で、どちらも防除用医薬部外品です。
吹く距離・秒数・使える場所は缶の表示に従い、風上から、人やペット、干している洗濯物のない方向に吹きます。

家庭菜園の野菜や果物など、食べる植物にはかけないと書かれた物があります。
花びらにはかからないように、と書かれた物があります。
吹いている間は、子どもとペットには家の中にいてもらいます。
池の魚や、そばで飼っている生き物がいる庭では、表示にその生き物の名前が出てこないなら、使う前に缶の相談窓口に聞きます。
洗濯物を干すベランダでは
ベランダで過ごすのが洗濯物を干す10分ほどなら、屋外用の蚊取りを置くより、出る前に腕と首に肌用の虫除けを使うほうが手軽です。
屋外用の地面向けスプレーは、洗濯物を干している側には吹かず、取りこんだあとや、干していない日に使います。
エアコンの室外機の裏や、プランターを寄せた隅は目が届きにくいので、水のたまった容器が残っていないかを、ときどきのぞきます。
電池式と吊るすタイプは、表示の「屋外」を見る
火を使わない電池式は、庭のテーブルやテントの近くでも使いやすい道具です。
ただ、電池式の中には「屋内用」と書かれた物や、対象が蚊ではなくユスリカ・チョウバエの物もあります。
外で使うなら、対象の欄に蚊があり、屋外で使えると書かれた物を選びます。
玄関やベランダに吊るす蚊用のプレートは、商品によって効き目の範囲と期間が決まっている補助の道具です。
吊るすタイプの考え方は、「ハッカ油の虫除けは頼れる?超音波・吊るすタイプと合わせた使いどころと限界」で、向く場所と限界を並べています。
草むしりの日の段取り
庭で1〜2時間しゃがんで作業する日は、蚊がひそむ植え込みのそばに長くとどまります。
次の順に準備すると、出てから慌てずに済みます。
作業する場所のまわりの受け皿、バケツ、空き缶の水を捨てます。
長袖・長ズボン・手袋・帽子を着てから、首すじや手首など服から出る所に肌用の虫除けを使います。
植え込み用のスプレーを使うなら、作業する場所のまわりの地面や草むらに、風上から表示どおりに吹きます。
線香を使うなら、自分の風上の燃えやすい物のない地面に置きます。
手袋を外して手を洗い、線香の火を消して、灰は冷めてから捨てます。
汗をかいて長くかかった日は、虫除けを表示の回数の範囲で塗り直します。

草むしりは植え込みのそばに長くいる作業なので、スプレーより先に、服で肌を覆う準備を土台にします。
ブヨ(ブユ)がいる場所では
ブヨ(ブユ)は、川や沢の近くで、朝夕の涼しい時間に出てくる小さな虫です。
キャンプ場や渓流釣り、山あいの川遊びで出会います。
いちばん手間のかからない備えは、長袖・長ズボンで肌の出る所を減らすことです。
ズボンのすそと靴下の間、袖口と手首の間のように、服と服のすき間も肌が出る所です。
すそを靴下の中に入れる、袖口の締まる上着を選ぶ、首にタオルを巻く、といった着方で、肌の出る所をさらに減らせます。

そのうえで、肌の出る所には、対象の欄に「ブユ」または「ブヨ」の名前がある虫除けを使います。
蚊用とブヨ用で、虫除けを2本持つ必要がありますか?
対象の欄に蚊とブユの両方が書かれた商品なら、1本で済みます。
ディートとイカリジンのどちらにも、ブユが対象に入った商品があります。
刺されたあと、強く腫れる、痛みが続くときは、医療機関を受診してください。
蚊帳を使うなら
蚊帳は、眠っている間や、昼寝の間に蚊から体を離しておく道具です。
キャンプで使うほか、網戸のない古い家の部屋や、窓を開けて寝たい夜にも使えます。

吊り下げ式: 天井や壁、専用スタンドから吊る。
1点で吊る物は場所を選ばず、4点で吊る物は広いが張るのに手間がかかる
ワンタッチ式・自立式: 広げるだけで形になる。
吊る場所のない部屋や、キャンプのテントの中で使いやすい
底付き: 床や地面から入る虫もさえぎる。
ベッドの上や屋外で使う物に多い
大きさ: 布団やベッドより小さいと、寝返りで網に触れた所を、網越しに刺されることがある。
寝具より一回り大きい物を選ぶ
しまい方: 季節の外はたたんで袋に。
たたむと小さくなる物が、収納場所に困らない
網目が細かいほど小さな虫を通しにくい一方で、そのぶん風も通りにくくなります。
窓を開けて寝る夏の夜なら、網目と風通しのつり合いで選びます。
小さな子どもが使うときは、蚊帳のすそを踏んで転んだり、吊りひもが首にかかったりしない置き方にします。
キャンプの前にそろえる物
肌用の虫除け(対象の欄に蚊とブユがある物。
子どもがいるなら、年齢に合う物)
長袖・長ズボン、帽子(朝夕や川辺で肌の出る面積を減らす)
屋外で使える蚊取り(線香なら皿と着火具、灰を入れる缶。
電池式なら替えの電池)
テントのメッシュの穴のチェック(出発前に広げて、破れがないか見る)
蚊帳やメッシュのタープ(テントの外で過ごす時間が長いなら)
テントの中で蚊取りやスプレーを使えるかは、商品によって違います。
蚊がいなくなるスプレーには、車や玄関、テントのような小さな空間向けの物があります。
閉めきったテントの中で線香を使わない、狭い場所では密室にしない、など、手に取った物の表示に従います。
いまの時期は、庭やベランダの水たまりが増えにくい季節です。
来シーズン、ヤブカが増え始める前に、雨上がりの翌朝に受け皿とバケツの水を捨てて回る日を、ひとつ決めます。




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