同じ「ゴキブリ用」の棚に並んでいても、スプレーは目の前の1匹に、置き型の毒餌は見えない場所にいる虫に、くん煙剤は部屋全体に使う道具です。
形が違えば、使う日も、置く場所も、準備の手間も変わります。
ドラッグストアの殺虫剤の棚には、パッケージの色も形も違う商品がずらりと並んでいます。
でも、していることで分けると、「殺す」「寄せない」「誘って捕る」の3つしかありません。
この3つと、パッケージの裏で見る場所が分かれば、初めての虫でも1本目は選べます。

殺す・寄せない・誘って捕る、3つの系統で分ける
| 系統 | していること | 主な形 | 向く場面 | 向かない場面 |
|---|---|---|---|---|
| 殺す(殺虫) | 薬剤を当てる、または食べさせて退治する | エアゾール(スプレー)、毒餌、くん煙剤 | 見つけた虫、家具の裏に隠れている虫 | 食品や食器のそば、ペットが届く床(毒餌) |
| 寄せない(忌避) | 虫の嫌がる成分で近寄りにくくする | 網戸・玄関用スプレー、吊るす・置くタイプ、肌用の虫除け | 窓や玄関から入る前、外出するとき | すでに家の中に住みついた虫 |
| 誘って捕る(誘引) | においなどで誘い、粘着面や容器に閉じこめる | 粘着トラップ、コバエ取り、フェロモントラップ | 数を減らしたい場所、虫が出ているか確かめたい場所 | 一度にたくさん出ていて、すぐに数を減らしたいとき |

殺す道具は、「見つけた虫」か「見えない虫」かで形が分かれる
夜、キッチンの床を走る1匹にすぐ使えるのは、手に持って吹きつけるエアゾールです。
同じエアゾールでも、ハチ用には離れた所から届くよう勢いを強めた物、ムカデ用には床に吹きつけて使う物があり、対象の虫で中身も使い方も変わります。
一方、昼間は冷蔵庫の裏や流しの下に隠れている虫には、通り道に置いておく毒餌(ベイト剤)が向きます。
くん煙剤は、煙や霧を部屋じゅうに広げて、家具のすき間まで届かせる道具です。
ただし、部屋を閉め切って家族もペットも外に出る時間が要るので、使う日を決めてから買います。
寄せない道具は、入口と自分の体に使う
窓の網戸や玄関のドアまわりに吹きつけるスプレー、ベランダや玄関に吊るすタイプ、外出前に肌や服に使う虫除けが、このグループです。
虫を退治する道具ではないので、家の中にもう出ている虫には別の道具を合わせます。
吊るすタイプは、裏面の対象害虫を見ると、蚊が入っていない商品もあります。
ハッカ油や超音波の扱い方は、「ハッカ油の虫除けは頼れる?超音波・吊るすタイプと合わせた使いどころと限界」に場所ごとの使い方を書きました。
誘って捕る道具は、数を減らすのと「いるか確かめる」のに使う
粘着トラップやコバエ取りは、薬剤を吹きつけずに置いておけるのが強みです。
もう1つの使い道は、何日か置いて、どの場所でよく捕れるかを見ることです。
捕れた場所が分かれば、毒餌を置く場所や、すき間をふさぐ場所の当たりがつきます。
フェロモントラップは、食品や衣類につく特定の虫だけを誘う道具なので、対象の虫の名前が合っているかを必ず確かめます。
粘着面はペットの毛や子どもの手にもくっつくので、置くのは家具のすき間や、人と動物が入らない場所に限ります。

パッケージの裏で見る4か所
形が決まったら、手に取った商品を裏返して、次の4つを見ます。
「対象害虫」の欄に、困っている虫の名前が書いてある
「使用場所」が、使いたい場所(屋内・屋外、台所、寝室など)と合っている
「医薬品」「医薬部外品」の表示があるか、ないかを見た
「使用上の注意」の、ペット・観賞魚・乳幼児・食品について書かれた行を読んだ

対象害虫の欄に、困っている虫の名前があるか
表に何種類もの虫の絵が描かれていても、効き目の対象として書かれているのは、裏面の「対象害虫」や「効能・効果」の欄に名前がある虫だけです。
ムカデに困っているのにゴキブリ・蚊・ハエの名前しかない商品なら、その虫の分は当てにせず、別の商品を探します。
「イヤな虫」「不快害虫」とひとまとめに書かれているときは、その下に並ぶ虫の名前まで目を通します。
「医薬品」「医薬部外品」の表示は、虫の種類で変わる
蚊・ハエ・ゴキブリ・ノミ・イエダニ・トコジラミ(ナンキンムシ)など、衛生に関わる虫を対象にした家庭用殺虫剤は、医薬品か医薬部外品として売られています。
これに対して、ムカデ・ハチ・ユスリカ・ケムシなどの「不快害虫」向けの商品には、医薬品や医薬部外品の表示がないものもあります。
表示がないから劣るという意味ではなく、対象にしている虫の区分が違うということです。
肌に使う蚊よけを選ぶなら、医薬品か医薬部外品の表示があるかを先に見ます。
「天然成分」「ハーブ」と大きく書かれた商品も、区分と対象害虫の欄で選ぶのは同じです。
使用上の注意は、家族とペットの行から読む
パッケージの裏の注意書きは文字が小さく、売り場で全部を読むのは大変です。
最初に探すのは、「観賞魚」「小鳥」「ペット」「乳幼児」「食品」「火気」の言葉が出てくる行です。
観賞魚や飼っている昆虫のいる部屋では使わないよう書かれた商品もあり、家にいる動物によっては、その時点で候補から外れます。
動物や赤ちゃんがいる家での準備は、「ペット・赤ちゃんがいる家の殺虫剤とバルサンの使い方、使う前の準備と避けたい置き方」で、道具ごとに表にしてあります。
虫と場所で、最初の1本を決める
| 困っている虫 | よく出る場所 | 最初に選ぶ形 | 様子を見て足す物 |
|---|---|---|---|
| ゴキブリ | 台所、冷蔵庫や流しの下 | 置き型の毒餌 | 見つけたとき用のエアゾール1本 |
| コバエ | 生ごみ、排水口、観葉植物のまわり | 誘って捕るコバエ取り | 発生源の掃除用品、排水口用の商品 |
| 蚊 | 寝室、ベランダ、玄関 | 室内用の電池式・電気式の蚊取り | 外出用の肌の虫除け |
| カメムシ・ムカデ | 窓、網戸、玄関、ベランダ | 入口に吹きつける忌避スプレー | 隙間テープ、防虫ネット |
| 衣類・食品の虫 | クローゼット、食品の棚 | 衣類用の防虫剤、密閉容器 | フェロモントラップ |
どの虫でも、最初は「置いておく道具」か「入口に使う道具」から1つ選び、退治用のスプレーは見つけたとき用に1本、という組み合わせが基本になります。
虫ごとの順番は、ゴキブリなら「ゴキブリ対策の始め方、毒餌・くん煙剤・スプレー・侵入防止を使う順番と置く場所」、コバエなら「コバエの種類(チョウバエ・ショウジョウバエ・ノミバエ・キノコバエ)の見分け方と、発生源別に選ぶ道具」が入口になります。
1本だけ買うなら、出た場所で選ぶ
何の虫か分からないまま、とりあえず1本買いたいこともあります。
そのときは、虫を見た場所で決めます。
- 台所や洗面所の床で見た: 対象害虫が多めに書かれた室内用のエアゾール
- 窓や玄関のまわりで見た: 網戸や玄関まわりに使える忌避スプレー
- 服や乾物のそばで見た: 殺虫剤より先に、虫の正体を確かめる
衣類のそばの小さな虫は、「衣類の虫食い対策、カツオブシムシの見分けと防虫剤の種類・クローゼットとタンスでの入れ方」に見分け方の表があります。
大きさは、ひと夏で使い切れる量にする
店頭には、同じ商品の大きい缶と小さい缶、2本組や3本組が並んでいます。
まとめ買いした缶が使いかけのまま残ると、次の夏まで保管する場所と、捨てるときの手間が増えます。
初めての虫なら、まず小さいサイズを1本にして、出る量が分かってから大きさを決めます。
使い切れなかった缶の扱いは、「殺虫剤のスプレー缶の捨て方と保管、使い切れなかったときの考え方と、子どもの手の届かない置き場所」に、置き場所と捨てる前の確認の順番を書いています。
業者や自治体に任せる線引き
軒下やベランダに蜂の巣がある、特にスズメバチが出入りしている
天井裏や床下から物音がして、ネズミが住みついているように思える
寝ている間に刺され、ベッドのすき間に小さな虫や黒い点がある(トコジラミが疑われる)
毒餌やトラップを置いて数週間たっても、毎日のように何匹も出る
このどれかに当てはまるなら、市販品で抱えこまず、相談する段階です。
蜂の巣やネズミは、市区町村や保健所で相談を受けているところがあり、業者の紹介や、作業の目安を教えてもらえることもあります。
集合住宅なら、管理会社に先に連絡すると、建物全体で駆除を手配してもらえる場合があります。
頼むときに伝えること
業者に連絡するときは、虫を見た場所と時間帯、見た数、写真をそろえておくと、話が早く進みます。

見積もりでは、作業の範囲(調査・駆除・すき間ふさぎ)と、また出たときの対応がどこまで入っているかを確かめます。
優良業者紹介サービス【害虫駆除110番】
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自分で使った殺虫剤の商品名も伝えておくと、作業の組み立てに役立ちます。
殺虫剤選びでよくある疑問
- 殺虫剤と忌避剤を、同じ家で一緒に使ってもいい?
-
場所を分けて使う組み合わせはよくあります。
たとえば、玄関と窓には寄せない道具、台所には置き型の毒餌というように、役割の違う道具を別の場所に置きます。
同じ場所に重ねて使うときは、それぞれの使用上の注意に、ほかの薬剤との組み合わせについて書かれていないかを確かめます。
- 置き型の毒餌は、どのくらいで取り替える?
-
取り替えの目安は商品ごとに違い、パッケージに有効期間が書かれています。
置いた日をパッケージやカレンダーにメモしておくと、替えどきを逃しません。
ほこりや水で汚れた物は、期間内でも早めに替えます。
- 業者に頼むか迷うときは、何から始めればいい?
-
蜂の巣と天井裏のネズミは、まず相談先を探すほうを先にします。
それ以外は、市販品で2〜3週間ほど様子を見て、数が減っているかどうかで決めるのが1つの目安です。
棚の前で迷ったら、手に取った商品を裏返して、対象害虫の欄に困っている虫の名前があるかだけを先に見ます。
名前がなければ、形や大きさがどれだけ合っていても、その商品は棚に戻します。
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